発達障がいがある高校生が勉強しない時どうすればいいの?

こんにちは
お子さんの発達が気になるお母さんの味方
感覚チューニストのゆうです。
発達障がいがある高校生の、あなたのお子さんは、勉強が手につかない様子なのではありませんか?
お子さんも成績は気になっていて、勉強に対する意欲的な発言だってするのに、結局は勉強をしないということはないでしょうか?
そんな姿に、「きっと今度こそ!」と、期待したりハラハラして……。
結局は、「また今度も……。」と、ガッカリすることも多いのではないでしょうか。
分かります、そのお気持ち。
私も、我が子が課題をかかえるたびに、テストがあるたびに、気持ちが上がり下がりしていました。
あなたも、そうではありませんか?
なぜ勉強しないのかと不思議だし、勉強しないで大丈夫なのかと、心配にもなりますよね。
でも、もう心配しなくても大丈夫ですよ。
今回は、発達障がいがある高校生が勉強しない時どうすればいいのかについて、お話ししていこうと思います。
Contents
発達障がいがある高校生が勉強しない場合に考えられる理由とは
発達障がいがある高校生のお子さんが、勉強しなかったり口先だけの計画倒れが多くて、ガッカリしたり心配になる、ということがあります。
「次は頑張る!」と言って大きな目標を立てたり、そのための計画や対策もしっかりしているはずなのに、なぜ勉強をしないのでしょうか。
まずは、そんな場合に考えられる理由を一緒に考えてみませんか?
きっと、お子さんに対するあなたの疑問が晴れて、やきもきしたりガッカリしたり、心配になってしまう気持ちも軽減されると思います。
勉強しない理由1.過去の経験をもとに先を予想するのが難しい
まず1つ目に、「過去の経験をもとに先を予想するのが難しい」ということがあります。
分かりやすく、ご説明しますね。
例えば、あなたが高校生で、2週間後にテストを控えているとします。
まずは、何月何日にテストがあるのか、教科は何でいくつあるのか、教科ごとにどのくらいの勉強をしないとならないのか……等々、考えると思います。
もしかしたら、その間に休日は何日あって、習い事などで勉強できない日がないかどうかまで、考えるかもしれませんね。
その際に、前回までのテストの時のことも、色々と思い出したりしませんか?
「あの時は、だいたい1週間くらいしか勉強しなくて、学校の休み時間も使って勉強したっけ……。」
「分からない問題があって友達に頼ろうとしたら、なかなかノートを借りられなくて……。」
「範囲は数ページだったのに、解き方の練習をしないとならない問題が多くて多くて……。」
「結局あの先生の授業は、プリントからしか出なかったな……。」
「なんだかんだあって、結局覚えきらなかったことがあったな~……。」
例えばこんな風に、過去の様子や状況を振り返って参考にしつつ、これから控えているテストに向けた計画を立てるのではないでしょうか?
つまり、過去の経験をもとに先の予想をしているはずなんです。
でももし、その参考にしたい自分の経験や体験が記憶として十分残っていなかったら、残っていても抜けているところが多かったら、いかがですか?
参考にできる情報があまり無い状態で、先のことに見当をつけるのは容易なことではありません。
もしかしたら、あなたのお子さんにとっても、過去の経験をもとに先のことを予想したり計画したりすることが、難しいのかもしれませんね。
勉強しない理由2.自分に合った配分で計画するのが苦手
次の2つ目は、「自分に合った配分で計画するのが苦手」ということになります。
こちらも、あなたが高校生だとして想像してみてくださいね。
テストは2週間後ですから、14日間あるわけです。
例えば、それまでに英語の単語を100個覚えないとならないとします。
「100÷14か……1日7個くらい覚えればいいかな……。」
こんな風に計算をしたりしませんか?
または、
「1日7個ってやっぱり無理かな……1日5個が限界かな……じゃあ、途中にある2日間の休日に20個ずつ頑張って覚えることにしようかな、そっちの方がいいかな……。」
などと、考え直すかもしれませんね。
そうやって、ご自分のペースや頑張れる具合に合うようにしたり、1日の負担が多くならないように考えたりしながら、計画を立てるはずなんです。
でももし、ご自分のこれまでのペースや、頑張れてきた度合いなどが実感としてあまり無い場合、どうなると思いますか?
きっと、ご自分のこれまでの様子に合った適当な配分とは違う、それとは切り離された配分を考えたりもするのではないでしょうか。
極端な例にはなりますが、
「初日の明日で100個覚えればいい!」
「最後の2日で50個ずつ覚えて完了!」
などという、無謀とも思われる計画を立てがちになったりする可能性もあるわけです。
そうなると、計画初日から「出来なかった……計画したって結局うまくいかないじゃないか!もうやりたくない!」と、なってしまうでしょう。
あなたのお子さんは、いかがですか?
ご自分が出来そうな配分で計画できているかどうか、思い出してみてくださいね。
勉強しない理由3.なかなかやる気になれない
そして最後の3つ目は、「なかなかやる気になれない」です。
誰でも気乗りしないことに対しては、なかなかやる気になれないものです。
あなたは高校生の時に、テストが楽しみで楽しみで、ウキウキワクワクと勉強していたでしょうか?
そういう方は少ないと思います。
それでも、
「まずい!もうあと〇日しかない!」
「今から取りかかれば、前みたいにどうにかなるかもしれない……やるか!」
と、勉強に手をつける意欲が自然に高まるというか、仕方無くエンジンがかかる、という感じだったはずです。
でも、発達障がいがある高校生がなかなかやる気になれない場合、テスト当日までの間の例えば2週間という期間を意識したり、自分の中に流れる時間として把握しにくいことがあります。
カレンダーや手帳を見れば、あと何日と数えることは出来ても、そこに自分の動きを当てはめて、安心したり焦ったりしながら、自分を動かすのが難しいように思います。
見えない日時の量を把握して実感するのが苦手、という感じでしょうか。
さらに、今抱えていることについて、まるでこれまでに経験したことのない程の大きな課題や勉強であるかのような、錯覚に陥ることもあります。
だから、自分からは手をつけるのが怖くて、ついつい後回しにしてしまいがちなのです。
そうしている内に、あたかもテストの日時が急に迫ってしまったように感じるわけなんですね。
勝手に日時は近づいてくるし……。
これまでどうやって切り抜けてきたか覚えていないし……。
ここから自分がどの程度出来るかの具合も分からない……。
もう間に合わない!もう出来ない!
という、別の怖さに包まれるようです。
もしもお子さんがこんな気持ちになっていたら、やる気も何も手がつけられなまま、身動きがとれなくなってしまっているかもしれません。
発達障がいがある高校生が勉強しない場合の対応
発達障がいがある高校生は、どうして勉強しないことがあるのか、ご理解いただけたでしょうか。
「勉強しない」ではなく、「勉強できない」という表現の方がしっくりきた、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、勉強の計画を立ててから、実際に勉強するという行動に移すまでに、どんな段階でつまずきやすく苦手を感じやすいか、ということについても想像していただけたかと思います。
それらを踏まえて、ここからは、お子さんが勉強しない場合の対応を、具体的にお伝えしていきますね。
対応1.お子さんの過去の様子を伝え一緒に先を予想する
まず1つ目の対応は、「お子さんの過去の様子を伝え、一緒に先を予想する」ということです。
以前のことをあまり覚えていなかったり、思い出せなかったするので、そこをあなたが助けてあげて欲しいと思います。
お子さんの過去の経験の記憶部分になってあげましょう。
あなたが覚えている、お子さんの様子や出来ていたこと等を思い出して、紹介してあげてください。
「この前は、『友達がなかなかノートを貸してくれなくて……。』って、言っていたよ。」
「先生の名前は忘れたけれど、何かのテストは『プリントからしか出なかった!』って話していたと思うよ、そんな教科はある?」
という感じです。
そして、これから先それと同じような流れになるかも、という設定で、お子さんと一緒に先のことを予想していきましょう。
ポイントは、客観的に紹介して提案する、ということになるかなと思います。
私の経験では、「我が子」と「私」と「これまでの我が子」の3人で一緒になって、「今度テストを受ける我が子」のことを考えていってあげる、という感じでした。
そういう気持ちでいると、イライラしたりせずに冷静な気持ちでいられましたから、是非試してみてくださいね。
対応2.お子さんに合った計画を一緒に立てる
それでは、2つ目の対応「お子さん合った計画を一緒に立てる」について、お伝えいたします。
お子さんのこれまでのペースを解説しながら紹介して、この先の日数でこなせそうな量の配分や、多分出来そうだと思えるペース配分を、提案して伝えてあげましょう。
「前は100個の単語を1日とか2日で覚えるのは、難しかったみたいだよ。」
「今回は、覚えないとならない単語はあるの?……その数って同じなの?……それなら、今度は1日10個にするのはどう?」
他にも例えば、テスト当日までの間に、いつどんなことが起こりそうなのかを、紹介してあげることも必要かもしれません。
「この前は途中で、『問題が多くて多くて!』ってヒ~ヒ~言っていて、前日になったら『なんだかんだあって、結局覚えきらなかった……。』って、がっかりしていたよ。」
「だから今度も、途中で何が起こるか分からないね。そうなると、まずは手をつけ始めておいた方がいいんじゃないかな~。どう思う?」
という具合になります。
いつの頃だったか私は我が子と、「自分のことが分かっていれば、適切に振り分けられて楽だし安心していられるのにね~。」って、笑ったことがありました。
でも、そう捉えて笑えるようになったのも、一緒になって試行錯誤を重ねていた、それまでがあったからだと思っています。
対応3.お子さんのアラーム役を担当する
3つ目の対応は、「お子さんのアラーム役を担当する」ということです。
お子さんは、自分が抱えている課題を常に意識しておいたり、うっすら覚えていながら必要なタイミングでハッキリ思い出す、ということが苦手なのかもしれません。
だから、お子さんが「自分にはやることがある!」と気がつけるように、注意喚起をする役割をになってあげましょう。
「テストまで、あと10日あるよ~。昨日もちゃんと勉強できていたね!」
「単語を覚えるって言っていたね~。あといくつ残っているの~?」
「これまでも、ちゃんとテストは受けられていたよ。立ち向かっていて偉かったよ。」
「これまでのあなたの様子から、今取りかかれば十分間に合うよ~。」
と、知らせてあげて欲しいのです。
はじめのうちは、アラーム役の出番が多くて大変になるかもしれません。
でも、その都度、これまで出来てきたことを紹介するなどして、応援メッセージも添えてあげて欲しいと思います。
私の場合は、少しずつ少しずつで時間はかかりましたが、だんだんとアラーム役の出番は減っていったんですよ。
だから、あなたも大丈夫です。
お子さんを信じて、アラーム役を楽しんでくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、発達障がいがある高校生が勉強しない時どうすればいいのかについて、お話しいたしました。
お子さんが勉強しない場合に考えられる理由と、その対応についても、理解を深めていただけたでしょうか。
発達障がいがあり、そのための苦手や不得意により、勉強に上手く取り組めないとしても、それが分かっただけでは解決は難しいものです。
苦手や不得意なところこそ、まわりの適切な助けが必要なのです。
どの段階でどんな対応があると助かるのか、お子さんと相談しながら、お子さんの状況に合わせて考えていきましょう。
いずれは、お子さん一人で計画・実行して勉強できるようになる未来に向かって、楽しみながら対応していってくださいね。
それでは、今回はこちらで失礼いたします。
最後までお読みくださって、どうもありがとうございました。
感覚チューニスト ゆう