発達障がいの診断を受けるべきか?高校生の親はどう考えたらいいの?

こんにちは
お子さんの発達が気になるお母さんの味方
感覚チューニストのゆうです。
あなたの高校生のお子さんは、発達障がいの診断を受けるかどうかの選択を迫られていらっしゃるのでしょうか。
医師から発達が気になるから様子を見ましょうと言われている段階でも、場合によっては診断書を発行してもらうかどうか考えないとならない時があります。
例えば、高校生活を送る上で生じる心身への過度の負担を軽減するために、高校側に配慮をお願いする時などです。
配慮してもらえたら、高校生活を送る上での大変さが軽減するかもしれない!
そうしたら頭痛や腹痛、吐き気に苦しむことが減るに違いない!
お子さんのことを考えると、是非そうしてあげたいですよね。
でも、そのために医師の診断書が必要になるかもしれないとなると、悩んでしまっているのではありませんか?
かつての私も、深刻に悩んでいました。
今後の我が子の成長にまだまだ期待したい!
障がい者というレッテルが貼られてしまうようで嫌!
やっぱり診断を受けないとならないのかな……?
あなたも色々な思いを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
何が分からないかも分からないけれど、心配で不安……。
こんな状態では、どうにも決められませんよね。
でも、大丈夫です。
当時は大いに悩んでいた私でしたが、かかりつけ医師や発達障がい専門の心理士に相談して、納得した答えを出せたのです。
お陰で、今でも私たち親子は、かつての選択に後悔したことがないんですよ。
そこで今回は、何をどう考えたらいいのかということを、私の経験をもとにお伝えしたいと思います。
あなたもきっと、納得いく答えが出せるようになるに違いありません。
それでは、発達障がいの診断を受けるべきか?高校生の親はどう考えたらいいの?というテーマでお届けしてまいりますね。
高校生で発達障がいの診断を受けるべきかと親が悩んでしまう理由
我が子は発達障がいの診断を受けるべきなのかな?どうなんだろう?どうしたらいいんだろう?と、悩まれるお母さんは少なくないと思います。
そこでまずは、高校生で発達障がいの診断を受けるべきかと悩んでしまう理由について考えていきたいと思います。
先に、以下に出てくる「発達障がい」と「発達障害」という表記の違いについて、ご説明いたしますね。
「発達障がい」は、「障害」の「害」という漢字に違和感を抱いている私個人の表現になります。
一方「発達障害」は医師によって診断され、診断名は「自閉症」「アスペルガー症候群」「ADHD」「学習障害」などです。
発達障がい専門の心理士によると、発達障害は近年では「神経発達症」とも表現されるとのことです。
診断名についても、「自閉スペクトラム症」「注意欠如・多動症」「限局性学習症」などが混在していて、それらをまとめて「神経発達症群」と聞いています。
さてそれでは、発達障がいの診断についての親の悩みを紐解いていきましょう。
我が子に任せず自分が決断しないとと気負ってしまう
まず1つ目に、「我が子に任せず自分が決断しないとと気負ってしまう」ということがあります。
あなたもご存知のように、お医者さんを受診するは患者さんです。
「あなたは○○です。」と診断されるのは患者さんですから、診断書を発行してもらうのも患者さん本人になります。
でも親はついつい、発達のこととなると自分が矢面に立って受け止めて率先して考えて決めてあげないと!という気持ちになってしまうのではないでしょうか。
子どもが怪我をして病院に連れていく時や、熱を出して診察してもらう時には、一緒に付き添っているという比較的冷静な気持ちでいられるのに、不思議ですね。
あなたも、本来なら診断を受けるお子さん自身の選択に任せてもいいことなのに、まるでご自分のことのように気負っていらっしゃるのではないかと思います。
我が子にとって最善の選択をしてあげよう!
お母さんですもの、そう思うのは当然でしょう。
大事な我が子のための選択について、間違いたくないからこそ悩んでしまうのですよね。
診断を受けるメリットとデメリットを十分に知らない
それでは次の、「診断を受けるメリットとデメリットを十分に知らない」ということについてお伝えいたします。
一生懸命頑張って登校している我が子の高校生活が、少しでも楽になるような配慮が受けられるのなら、親にとってそんなに有り難いことはありません。
もちろん、お子さんにとっても非常に大きなメリットに違いありません。
でも実は、今知っているメリットは、他にも沢山あるメリットやデメリットの中のほんの一部の情報でしかない、という場合が多いのではないでしょうか。
親が子どもにいつチョコレートという甘~いお菓子の存在を知らせようかと悩む時にも、いつスマホを与えようかと悩む時にも、子どもの笑顔を思い浮かべる一方で、良くない影響も考えるのではないでしょうか。
他にはどんな良いことがあるのかな……。
良くないことって、どんなことがあるのかな……。
自分なりに調べて納得してはじめて、決めることが出来るのだと思います。
今のあなたも、発達が気になるという様子見の段階から一歩踏み込んで、診断を受けるメリットとデメリットを十分に知らないのではないかと思います。
だから、それを自信持ってお子さんに伝えてあげることも出来ないし、悩んでしまっているのですね。
これまでのように今後の我が子にも期待したい気持ちが強い
3つ目は、「これまでのように今後の我が子にも期待したい気持ちが強い」ということです。
こちらは、高校生になって初めて医師から発達障がいの疑いがあるかもしれないと言われた場合や、成長段階にあるので様子を見ましょうと言われている場合などに、親なら誰しも抱く気持ちなのではないでしょうか。
本当に今の段階で発達障がいの診断を受けないとならないの?
診断書にハッキリ書かれてしまったら決定的になってしまう!
当然、我が子の成長を信じて期待しているからこそ疑問に思って悩んでしまうのです。
事実、世の中には、発達が気になり障害があるかもと疑われたけれど、結局は発達障害と診断されるには至らず、自分らしく幸せに生きている方は沢山います。
今は自分だけの力で乗り切ることが難しくても、これから世に出てくる便利グッズで解決できたり、周りに応援を頼めるようになって、自分らしく上手くやっていけるようになることもあります。
あなたも、お子さんのこれからの可能性を信じて、その伸びしろに期待するからこそ迷ってしまうのだと思います。
矛盾するようですが、期待して迷ってしまうことが良くないと言っているわけではありません。
あれも出来ない……これも出来ない……と悲観的になるよりも、未来に期待したい気持ちがあるということは、それだけで心を元気にして、行動を起こす原動力になりますからね。
私自身も、これから先のことについて希望と期待の気持ちで満たされている時に、自分の元気を感じています!
我が子が障がい者扱いされ将来が不利になるのではと心配
次は4つ目の、「我が子が障がい者扱いされ将来が不利になるのではと心配」ということについてお話しいたします。
残念なことですが、発達障がいについて良く知らない方の中には、偏見や差別とも受け取れるような考えを持っている方もいます。
障がいがある人ってよく分からないし扱いにくい!
障がいがある人は特別だから仕方ない!
確かに、そういう見方もできるかもしれません……。
でも、我が子がそんなマイナスイメージを持たれてしまうかもしれないとしたら……想像しただけで悲しくて嫌な気持になりますよね。
一方で私は、発達障がいについての誤解や勘違い生じてしまうのは、自然なことなのかもしれないな~と思ったりもします。
何故なら私も、我が子に発達の偏りがあると知ってから何年もたつのに、今でも新しい発見があり学ぶことが沢山あるからです。
また、養護教諭(保健室の先生)になるために大学では障がいについても学び、特別支援学校(旧養護学校)で障がいがある児童生徒と接していた経験があっても、目の前の我が子を理解するのには十分ではないのだ!と、痛感しているからです。
だから、障がい者扱いされるかも!という心配は、知らない人は知らない人なりの考えしか持てないよ!という当たり前なことなのかもしれませんね。
診断を受けるか否かの二択しかないと思っている
最後にお伝えするのは、「診断を受けるか否かの二択しかないと思っている」ということについてです。
これは、今置かれている状況では「診断があると配慮が受けられる!」と「診断がないと配慮が受けられない!」の二択だと思っている、ということです。
かつての私は、「何かしらの障害の診断を受けるか!否か!」の二択しかないと思っていたので、究極の選択に悩むしかありませんでした。
また、高校に提出しないとならない書類があるかも!と聞けば、「診断書」しか思い浮かびませんでした。
あなたもそうではありませんか?
人生初めてのことは、何も知らず何の情報もない状況なのですから、目の前に並んでいるものが全てだと信じて疑わないでしょう。
でもちょっとここで、もっと身近な選択をするときのことを思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
今の空模様で洗濯をするか!しないか!
……その前に天気を調べようか!洗濯は明日でもいいかな?部屋干しにするか……。
今見ているネット通販会社の購入ボタンを押すか!押さないか!
……送料無料のところはないかな?買わなくても家に今あるもので代用できるかも……。
あなたも普段はきっと、色々な情報を自然と集めて、それらを並べて吟味して、納得の上決めているのではないかと思います。
診断を受けるかどうかについても沢山の情報を集めて、どれもフラットに!柔軟に!冷静に!考えられるといいですね。
親は子ども本人が診断を受けるべきか決められるように手伝ってあげて
いかがでしたか?
あなたが、発達障がいの診断をお子さんが受けるかどうかと悩まれている理由にも、思い当たることがあったのではないでしょうか。
それらを踏まえて、ここからは、お子さん本人が診断を受けるべきか決められるように手伝う、というあなたの大役についてお伝えしていきたいと思います。
出来そうなことからやってみようかな!という気持ちで、順序にこだわらずやってみてくださいね。
高校でどんな配慮がお願いできそうか一緒に質問する
まず1つ目は、「高校でどんな配慮がお願いできそうか一緒に質問する」ということです。
発達障がいがあったり発達が気になっていて、学校生活を送る上で配慮を受けたい場合には、学校側との話し合いが必要になります。
話し合いの場では、お子さんが主体となって質問していけるのが理想ですが、それが難しいこともありますよね。
そんな時には、お子さんと一緒に話し合いの場面を想像しながら、お子さんが質問することと保護者であるあなたが質問することに分けて、分担を決めておくのもいいと思います。
こんな配慮が受けられたら助かる!ということについて色々考えてみて、検討してもらえるかどうか相談してみましょう。
当然ですが、学校の施設や先生の数には限りがありますし、学校が開いている時間だって先生の勤務時間にだって決まりがあります。
だから、生徒本人や保護者が希望することが、何でも全て叶うというわけではないのです。
また、配慮を受けるために必要な書類についても質問しておきましょう。
医師からは何を発行してもらえばいいのか、それが診断書なら様式はあるのか、診断名が確定していない場合はどうしたらいいのかなど、分からないことは放置せず何でも聞いてみることをお勧めいたします。
発達の偏りが原因で困ってしまう場面やその程度は一人一人違っていて、一人として同じケースはないわけですから、何でもまずは確認してみることが大切です。
私立高校や通信制高校等への編入についても一緒に検討する
次に2つ目の、「私立高校や通信制高校等への編入について一緒に検討する」ということについてです。
はじめに、我が子のかかりつけ医が言ってくださったことをご紹介いたしますね。
「何も今の高校だけが高校じゃないと思うんですよ。入学してみないと分からないことはあるし、肌に合う合わないだってあるからね。」
この言葉を聞いた私は、我が子のこれからの高校生活に希望が見えた気がしました。
一方の我が子はそうでもない様子で、在学高校を卒業したいという希望を持っていましたけれどね。
その時私は、我が子は他の選択肢を知らないからそう言っているのではないかと思ったのです。
だから、休学させるのもありかなと考えたり、私立学校への編入条件やそれにかかる費用を調べたり、私一人で単位制高校の見学に行ったりもしました。
我が子は大学にも行きたいと言っていたので、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)についても調べました。
結局のところ、我が子はどの選択肢も検討はしましたが、答えはNOでした。
今度の私は、我が子は色々な選択肢があることを知っていて、それでも選ばないのだと分かっていましたから、安心した気持ちですんなり受け入れることができたのです。
あなたのお子さんも、まだ他の選択肢を知らず、せっかく合格した高校なのに!これまで応援してくれた親に悪い!また別のお金がかかってしまうのは良くない!などと、色々と考えているところかもしれませんね。
お子さんが、どうしようかと考える上でネックになっているかもしれない、その大事な思いはそのまま受け止めてあげて、いったん横に置いてみましょう。
その上で、お子さん自身が発達障害の診断を受ける必要性や、今の高校に通う以外の選択肢についても掘り下げて考えられるよう、一緒に検討してあげることが必要だと思います。
診断を受けるメリットとデメリットを一緒に調べる
3つ目は、「診断を受けるメリットとデメリットを一緒に調べる」ということです。
ネットで検索してもいいし、医師に質問してもいいし、障がいに関する行政の相談窓口で聞いてもいいでしょう。
専門家ではない、発達のことをあまり良く知らないママ友やお知り合いから聞く内容も、そういう考え方の人もいるという情報として持っていてもいいと思います。
無理して調べあげる必要はないと思いますが、なるべく多くの情報を集めておくことをお勧めします。
メリットはメリットとして安心して受け入れればいいし、デメリットについては見方を変えてみることも必要でしょう。
以下は、デメリットに関連することについて、私が心に留めている見方になります。
- 昔と違い今の世の中は、病気の治療をしながら仕事をしていける時代、障がいがありながら仕事をしていける時代。
- 偏見や差別が渦巻く場には近づかない、そうとは知らずに入ってしまったら逃げればいい!
- 診断があるからといって、いつでもどこでも自分から開示しなくてOK。
- 発達障がいがあるからという理由で、不利になるような扱いをする学校や会社があれば、こちらから辞めればいい!
現代は、心にも体にも無理することなく生きていく、そういう人生の選択ができる時代です。
これは、今後どんどん加速すると思います。
今考えられるデメリットは、お子さんにも必ず襲いかかってきて、そこから絶対に逃げられないことになるのか?
結局は想像することしか出来ませんが、それを調べて知っているのと知らないのとでは、大違いだと思います。
主治医への質問や相談を一緒に考える
それでは4つ目に、「主治医への質問や相談を一緒に考える」ということについてお伝えいたします。
高校で配慮を受けるために、診断についてどう考えたらいいかという悩みは、正直にかかりつけ医に相談していただきたいと思います。
患者さんであるお子さん本人が、色々と質問できるといいのですが、お子さん一人では難しいかもしれません。
何故なら、お子さんを今一番悩ませていることが頭痛や腹痛、吐き気などの体調不良だったりすると、診断のことや将来のことについて色々と考えるのは容易ではないはずだからです。
だからこそ、あなたがお子さんと一緒に、何をどう質問したらいいかと考えてあげましょう。
発達障がいがある多くの方を診察されてきていて、色々なパターンの経過をご存知である、かかりつけ医師の意見を伺っておくことは大事です。
いきなり診断書を書いていただく前に、
- お子さんの今後についての、発達のことを含めた見通しについて。
- 今後受けられる医療分野の支援にはどんなものがあるのか。
- 年齢によって処方してもらえる薬が変わったり、それによる症状の変化などが期待できるのか。
などなど、思いついたことは何でも質問しておきましょう。
素人だから恥ずかしいなんて思わずに!
お医者さんは忙しいから申し訳ないなんて遠慮せずに!
時間短縮のために、質問することをメモしていってもいいでしょう。
お子さんのその日の体調や気持ちの沈み具合によっては、「質問があります」というセリフだけの出番でもいいと思います。
続きについては、あなたとお医者さんの会話を耳にしているというだけでも、お子さんにとっては十分意味のある時間になるはずです。
お子さんの気持ちを良く聴いて意志の確認をする
最後の5つ目は、「お子さんの気持ちを良く聴いて意志の確認する」ということです。
高校側に配慮をお願いするか、医師から診断をもらうかどうかなど、その最終的な判断をするのは、患者さん本人であるお子さんです。
そのお子さんが、自分自身のことについて、場合によっては診断書を発行してもらうかどうかについて、ああでもないこうでもないと色々考えて結果を出せることが大事だと、私は考えています。
そのためにも、お子さんがどう感じているかについて、途中途中こまめに確認してあげて欲しいのです。
我が子だって自分でちゃんと考えているだろう……と、片付けたりしないでくださいね。
実際にお子さんから聞いて、それをあなたが繰り返し口に出してみて、お子さんはまたそれを耳にする。
深刻な雰囲気のなか問い詰めるのではなく、日頃の会話の中に軽く入れられるといいですね。
そうすると、お子さんもあなたも自分の気持ちを外に出しやすくなりますし、整理しやすくもなります。
お子さんは、最終的に出した選択について、自分は納得して決めた!という自信が持てますし、後々も自分の選択に責任が持てるはずです。
あなたも、我が子が一生懸命考えて自分にとっての最善の答えを出したんだ!と、安心して支持できるでしょう。
だからこそ、その選択の先に広がる道を、前へ前へと進んでいけるようになるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、発達障がいの診断を受けるべきか?高校生の親はどう考えたらいいの?というテーマでお届けしてまいりました。
我が子の将来を考えて心配するからこそ、発達障がいの診断を受けるべきなのかどうかと親は悩んでしまうものです。
でも、実際に診断を受けるのは高校生のお子さん本人ですから、最終的にはお子さんの意志を尊重してあげて欲しいと思います。
お子さんが安心した気持ちで十分に検討できるように、一緒に調べたり考えたりしてあげましょう。
あなたの気がかりなことや、不安に思ったりしていることについては、お子さんの受診の時に医師に相談してみてください。
お子さん自身が納得のうえ出した答えは、きっと後々まであなたを安心させてくれますよ。
それでは今回は、こちらで失礼いたします。
最後までお読みくださって、どうもありがとうございました。
感覚チューニスト ゆう