子どもの発達と感覚統合の関係とは?具体的に分かりやすく解説!

こんにちは

お子さんの発達が気になるお母さんの味方

感覚チューニストのゆうです。

 

 

あなたは、お子さんの様子について何か気になっていることがおありなのでしょうか。

服がほんのちょっと濡れただけなのに、着替えたいと言ってきかない!

食べ物の好き嫌いが激しくて、食事の用意が大変!

そんな時に、かつて乳幼児健診で発達が少し気になると言われたことを思い出す方もいらっしゃるでしょう。

そこで何となく、書店や図書館などで発達のことについて書かれている本を手に取ってみたら、感覚統合という言葉が目に入ってきたのではないかと思います。

感覚統合ってなに?

子どもの発達と何か関係しているみたいだけど……。

感覚が統合……統合?統合って何?分かりそうで分からない!

身近な「感覚」という言葉と、それからは全く連想できない「統合」という言葉がセットになっていて、私は初めてその言葉を耳にした時、なんのことか全く分かりませんでした。

あなたも、そうではありませんか?

感覚統合とは一体なんなのかが分かったら、我が子の気になる様子についても何か分かるかもしれない!

あなたもきっと、そう期待されているのではないかと思います。

でも、いまいちピンとこない……。

そんなモヤモヤを、今日はスッキリさせましょう!

実は感覚統合というのは、そんなにややこしい話ではないのです。

当たり前すぎて考えもしなかった!というくらいに身近な話なんですよ。

そこで今回は、子どもの発達と感覚統合の関係とは?具体的に分かりやすく解説!というテーマでお届けしたいと思います。

 

感覚統合って一体なに?子どもの発達と関係があるの?

感覚統合という言葉を、はじめて耳にする方も多いでしょう。

「感覚」という言葉は身近でも、それが「統合」とセットになると、途端に分かりにくくなるように思います。

そこでまずは、感覚統合についてご説明してから、それが子どもの発達とどう関係しているのかについて、分かりやすくお伝えしていきたいと思います。

 

感覚統合とは

まずはじめに、「感覚統合とは」と題してお話しいたします。

漢字が4つ「感覚統合」と並ぶと、あまり見慣れないため戸惑われる方も多いのではないかと思います。

そこで、「感覚」と「統合」に分けてみましょう。

「感覚」と聞いて、あなたはどんなことをイメージされますか?

視覚や聴覚などでしょうか。

他にも、

「水が冷たすぎて指の感覚が麻痺しそうっ!」

「この椅子ふわふわして何だか不思議な感覚~!」

などと、「何かを感じる部分」とか「感じ方」という意味合いでも使ったりしますね。

何かを感じる部分でキャッチした感じ方というのは、その後の思考や動きにも繋がっています。

例えば、座り心地がふわふわと不思議だと、それを何度も感じようとお尻を浮かせたり沈めたりするかもしれませんね。

そこには、「ふわふわする!(感じる)」→「何だろう?不思議~!(考える)」→「お尻を上げ下げ(動かす)」→「ふわふわする!(感じ方を再確認する)」、というような流れがあります。

感覚というのは、ただ単に何かを感じているだけではなく、その後の私たちの思考や気持ち、行動や動作にも深く関係していることが分かります。

そこに一連の流れや繋がりがあって、互いに連携し合って一つにまとまっていることを「統合」といいます。

つまり、「感覚統合」というのは、「感覚はまとまっている」と簡単に言うことができますね。

感覚統合のお陰で、私たちは身のまわりの環境から常に色々な感じ(情報)をキャッチして、それらと自分の心や体との関係や相性などを瞬時に判断し、結果自分の手足体を動かせているわけです。

 

7つの感覚とその働き

それでは次に、「7つの感覚とその働き」についてお伝えいたしますね。

あなたは、「感覚」(何かを感じる部分)って、全部でいくつあると思いますか?

「え??五感って言うし5つじゃないの?」

はじめ私はそう思っていましたが、感覚統合でいうところの「感覚」は、五感と二覚の合わせて7つもあるのです。

早速、7つの感覚とその主な働きについて、一つ一つご紹介いたしますね。

  • 視覚(目)……明るさ、暗さ、まぶしさなどの情報をキャッチ。
  • 聴覚(耳)……静かさ、騒がしさ、音の高さ、耳障りな音、落ち着く音などの情報をキャッチ。
  • 味覚(口)……食べ物や飲み物の味、舌触りなどの情報をキャッチ。
  • 嗅覚(鼻)……香り、匂い、湿気、空気の乾燥などの情報をキャッチ。
  • 触覚(肌)……痛み、熱さ、冷たさ、温かさ、圧迫される感じ、触れる感じなどの情報をキャッチ。
  • 前庭覚(耳の奥)……体の傾き、体が移動する速度などの情報をキャッチ。
  • 固有受容覚(手足体の筋肉や関節など)……手足体を動かす時の力の入れ加減、動きの速さや向きなどの情報をキャッチ。手足体の動きのコントロールもします。

こうしてみてくると、確かに普段の生活の中で7つの感覚を使っている!と、お気づきになったのではないでしょうか。

自分の体が倒れそうになったら、目をつぶっていても分かりますものね。

水たまりを避けようとする時には、その大きさを目で見ますが、あとは足の伸ばし具合などで跨げるかどうか調節するでしょう。

自然と手も大きく振ったりしていますよね。

ビシャッ!と水の音が聞こえたら、ウっ!足が届かなかったかぁ~!と察知するでしょう。

つま先がじと~っと濡れてきたら、ア~~!靴も濡れたし水も入ってきちゃったよ~!と、嫌な気持ちになったりするかもしれません。

改めて、色々な感覚が同時に活躍していることが分かりますね。

 

感覚統合と子どもの発達との関係

では最後に、「感覚統合と子どもの発達との関係」について、解説したいと思います。

これまで、7つの感覚(五感と二覚)についてご紹介してまいりました。

また、それらの感覚は勝手バラバラに機能しているわけではなく、互いに関係し合って具合よく機能している、ということもお伝えいたしました。

それを感覚統合というわけですが、私たちの感覚は生まれた時から既に統合されていたのでしょうか。

いいえ、決してそうではありません。

赤ちゃんは水たまりを見ても、それがビチャビチャした冷たい液体だとは分からないし、濡れてしまうから避けようとも思わないはずです。

例え浸かってしまっても、瞬間的にパッとすぐに足を上げたり、咄嗟にバランスを崩さないように足を安全なところに下ろすことも出来ないわけです。

つまり、視覚でキャッチした情報(水)を、脳で「水だ!」と認識して、「濡れる!」と考えたり想像して、すぐさま「避けるぞ!体よ動け!」と固有受容覚や前庭覚をフル稼働させることもないのです。

7つの感覚も脳も手足体も、生まれた時から備わってはいますが、連携を取りながら一丸となって機能はしていない、つまり統合はしていないのです。

それが徐々に、まわりの環境から色々なことを感じて!脳で処理して整理して記憶して!手足体を動かす!そしてまた感じる!ということを繰り返しながら、丁度よく具合よくまとまっていきます。

感覚統合は、子どもそれぞれの発達のペースで、毎日の生活や楽しい遊びを通した成長の中で、程よくまとまりながら形成されていくわけです。

感覚統合は、子どもの発達と切っても切れない深い関係にあるのですね。

 

感覚統合を具体的に分かりやすく解説

いかがでしたか?

感覚統合って、そういうことだったんだ!な~んだ簡単じゃない!と、ご理解いただけたでしょうか。

ここからは、子どもの成長や発達に沿って、感覚統合をご説明していきたいと思います。

「○○期の感覚統合」と区切ってはいますが、厳密に堅苦しく捉えることなく、人の成長や発達は人それぞれということを忘れずにお読みくださいね。

お子さんが見せる色々な様子に重ねて、どんな感覚からどんな情報をキャッチしているところなのか想像してみましょう。

 

胎児期の感覚統合

まずは、「胎児期の感覚統合」についてお話しいたします。

赤ちゃんはお腹の中で動いたり、お母さんのお腹を蹴ったりしますよね。

あなたのお子さんも時には、それが小さな手や足だとハッキリ分かるくらい、あなたのお腹の中から強く押してくることもあったのではないでしょうか。

テレビの画像などでは、子宮の中の赤ちゃんが、自分の口に手を持っていっている様子が映し出されることもありますよね。

赤ちゃんの7つの感覚は、まだ完全ではありませんが、お腹の中にいるうちに機能しはじめていると聞きます。

光を感じ、お腹の中の音を子守歌にお母さんの声を聞き、羊水の味や匂いをキャッチして、ふわふわと浮く感じを既に体験しながら手足を動かし、お母さんの子宮にも触れたりしているのですね。

外の世界は、まぶしい光や騒々しい音でいっぱいで、肌には空気をはじめ様々なものが直接触れてくるし、何もしなくたって手足体に重力がかかってくるような環境です。

それと比べると、胎児期の赤ちゃんは、とってもソフトな刺激の感覚情報に包まれていると言えるでしょう。

その居心地の良い柔らなかな環境の中で、着々と感覚統合の準備をはじめているわけですね。

ありきたりの表現ですが、心からすごいな~!!と感心します。

 

乳児期の感覚統合

次に「乳児期の感覚統合」についてです。

生まれてから1歳くらいまでを乳児期として、お話しいたします。

さあ、どんな感覚が活躍して統合に向かって整えられているのでしょう。

お母さんの体を介してではなく、人が生きていく世界に溢れる沢山の強い情報を、自分の感覚を通して直接感じるようになりますね。

目からは強い光が入ってくるし、聞き覚えのあるお母さんの声はハッキリくっきり聞こえます。

産着が肌に当たる感じを知り、布団の匂いや重さを感じて、抱っこされれば程よくギュッと圧迫される感じに包まれるわけです。

お母さんの匂いは、きっと心地良いに違いありません。

お母さん以外の人の、手の大きさや柔らかさの違い、力の加減の違いを感じることだってあるでしょう。

おっぱいやミルクを飲むことで味や温かみを感じ、その小さな手や頬で、お母さんの肌の柔らかさや弾力を感じます。

おむつ交換の時には、足がグッと上へ持ち上げられたり、体が内側に曲がる感覚をキャッチしているはずです。

首が座ったり寝返りを打ったり、手足を動かしているうちにいつの間にか移動していたりと、誰かに抱っこされたり移動させてもらわなくても、見える景色が変わるようになりますね。

体の日々の動きの中や、自分で自分の体を動かすことが出来るようになる中で、手足体のあちこちに色々な加減の力が入る体験を重ねていきます。

お母さんと切り離された生命体として、これから自分の身で生きていくために、その環境に一生懸命慣れていっている時期と言えるのではないでしょうか。

7つの感覚を通して、自分の身はいつも心地よい状態に保たれていて安全であると感じられて、安心感で満たされ続ける経験が、とてもとても大事な時期でもありますね。

 

幼児期の感覚統合

それでは3つ目は、「幼児期の感覚統合」についてお伝えいたしますね。

幼児期は、つかまり立ちをしたり一人で歩き出すようになり、お母さんは目が離せなくなる時期でもあります。

子ども本人は、言葉を使って意識してはいないと思いますが、前庭覚や固有受容覚、視覚が大活躍です。

「なんだか自分の体が縦になっているような気がする!体の下の方が凄くグラグラするけれど、視界が変わったぞ!」

「あれは!大好きなお母さん!いい匂いがするお母さん!近くに行きたい!」

自分の手足体をどんな具合に、どのくらいの力や速さで動かすと、どうなるのか……毎日の動作の中で着々と体得していっている時期ですね。

視覚でキャッチした目的(お母さん)を捉えたまま、手足体の固有受容覚をフル活動させて、嗅覚の記憶も思い起こしているかもしれません。

でもまだ、視界に何か邪魔なものがあっても気がつかなかったり、まわりから入ってくる物音の区別はついていないこともある、といったところでしょうか。

離乳食が始まれば、味覚を通して人生初めての味や舌触りに遭遇し、スプーンやお皿が唇や舌に触れる感じも体験する毎日になるわけです。

食べ物をいじったり握りつぶしたりしながら、触覚や固有受容覚の働き具合も整えていきます。

身近な人との触れ合いは、主に視覚・聴覚・触覚などの情報をもとに精神的な心地良さを得たり、自分以外の人との距離をどう取るかなどを掴む準備にもなっています

言葉を介したやり取りが出来るようになると、物には名前があることを知り、その意味を覚えたりして、褒められて嬉しいなどという気持ちも開花していくことになります。

 

学童期の感覚統合

最後に、「学童期の感覚統合」についてお伝えいたします。

小学校に上がるくらいになると、だいぶん身のまわりの状況を把握できるようになって、言葉を介したやり取りが上手になっている頃ですね。

重いランドセルを背負ってよろよろしたり、体育の時間や遊びの時間に走ったり飛んだり跳ねたり(前庭覚)。

いっぺんに膨大な量の物音や人の声が耳に入ってきますが、それを聞き分けて(聴覚)。

黒板を見ながら(視覚)、鉛筆を握って直線や曲がった線を書いて(固有受容覚)、間違っていないか確認して(視覚)。

ノートを軽く押さえて(触覚や固有受容覚)、消したい文字を見ながら(視覚)、消しゴムで消す(固有受容覚)。

美味しい匂いがしてくれば(嗅覚)、給食が近いと察する(脳の記憶やイメージする力)ことも出来るようになっているかもしれませんね。

お友達の様子を見たり(視覚)、先生に褒められたりして(言葉やニュアンスの理解)、「自分もできた!」と自信もつけます。

「もっとしたい!こんな風になりたい!」と、やる気も集中力もアップして、将来に希望を持てるようになるでしょう。

子どもの感覚は学童期にもさらに統合を続け、精神的な発達や成長がどんどん促されていくのです。

一方で、子どもの発達や感じ方、それが脳でどう認識され処理されるか、それによって手足体の動きがどうコントロールされるかなどは、誰一人として同じではありません

だから、そのどこかに偏りがある場合には、日常的に「すごくキツイ!大変すぎる!」と感じていることもあります。

ただそれを、自分以外の人と比べることは出来ないので、「みんなこんな感じなんだろう!」と、特に疑問に思うこともなく頑張り続けてしまうのです。

その結果、本人を含め誰もその大変さや困難さに気づけないまま、苦しさや自信のなさだけが年月の分だけ重なっていってしまうこともあるわけです。

その点、感覚統合について知っていれば、「あれ?もしかして感じ方が違うかもしれない?」と、気がついてあげることが出来ますね。

 

感覚統合について知ることで得られるメリットについては、こちらでも詳しくご紹介していますので、よろしければご覧くださいね。

⇒感覚統合と発達障がいの関係は?知って嬉しい子どもへのメリット5つ!

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

子どもの発達と感覚統合の関係とは?具体的に分かりやすく解説!というテーマでお届けしてまいりました。

あなたはこれまでずっと、お子さんが色々なことにチャレンジする姿を温かく見守って、優しい声かけをされてきたことと思います。

実はそれこそが、お子さんの感覚の発達や統合を促していたのですね。

誰にでもある好き嫌いは、感じ方の違いでもあるので、お子さんにだって嫌な気持ちになったり困ってしまうことがあるわけです。

お子さんの感じ方と心身の発達とは密接な関係がありますから、苦手なことは無理強いすることなく、心地よいことや楽しいことで笑顔を増やしていってあげましょうね。

 

もしもあなたが、今回ご紹介した子どもの成長や発達に沿った感覚統合について、もっと知りたい!と思われたなら、無料メール講座へのご登録をお勧めいたします。

お子さんの感覚統合についてだけでなく、あなた自身やご家族の方のそれについても考える機会になると思います。

そして何より、お子さんやご家族の方への見方が変わり、自然と優しい気持ちになれて、もっともっと褒めたくなるはずです。

無料ですので、安心してご登録されてくださいね。

 

 

それでは今回は、こちらで失礼いたします。

最後までお読みくださって、どうもありがとうございました。

感覚チューニスト ゆう

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