最近、あるバイオリン演奏動画の「タイムスタンプ作成」をご依頼いただきました。
タイムスタンプとは、動画の中で
「ここから第二主題」
「ここがクライマックス」
というように、時間ごとの内容を整理していくものです。
今回、その作業をしながら、私はずっと考えていました。
「クライマックスって、一体どこから始まるのだろう?」
と。
もちろん、音楽には「頂点」と呼べる瞬間があります。
最も高い音。
最も緊張感が高まる瞬間。
「ああ、ここがクライマックスだ」と感じられる一点。
でも実際に演奏を聴いていると、その瞬間は突然現れるわけではありません。
もっと前から。
少しずつ。
ピアノ伴奏とバイオリンが呼応しながら、
緊張感やエネルギーが積み重なっていく。
私は、その“向かっていく流れ”そのものに、とても惹かれました。
そして気づいたのです。
これは、音楽だけの話ではないのかもしれない、と。
例えば、小さなお子さんが初めて鉛筆を持てた時。
周囲から見えるのは、
「持てた!」という一瞬かもしれません。
でも、その前には、
身体を支える力、
手や指の感覚、
目で見る力、
人との関わり、
遊び、
安心感――
たくさんの積み重ねがあります。
さらに言えば、
「触る」
「揺れる」
「音を聞く」
「身体を動かす」
そんな、もっともっと根っこの感覚の土台があります。
音楽も、人の成長も、
突然完成するわけではありません。
見えないところで、
少しずつ、
でも確実に積み重なっていく。
私は普段、バイオリンレッスンだけではなく、
感覚チューニング遊びという音遊びのようなことも取り入れています。
それは、「できた」という結果だけではなく、
そこへ向かう身体の流れや、
感覚の変化、
少しずつ育っていく過程そのものを、
大切にしたいからです。
クライマックスは、確かに一点なのに。
全てのことは、そのずっと前から、もう始まっているのですね。
心も体も
元気が一番
音は、今のあなたのままで大丈夫だと教えてくれます。
無理に変えようとしなくても、
少しずつ整いながら、本来の響きに近づいていきます。
日々の生活の中で、
音がそっと寄り添う時間をお届けできたら嬉しいです。
心も体も元気が一番。
あなたのペースで、大丈夫です。