こちらは、発達が気になるお子さんを支えるお母さんのための豆知識です。
感覚チューニストであり、発達が気になる子どもを支えて応援している母親の一人でもある、私なりの考え方・捉え方を、あいうえお順にご紹介しています。
あ
アサーション
コミュニケーションスキルの一つです。
自分の主張は適切な自己表現でしっかりと伝え、なおかつ相手のことも傷付けないという、自分も相手も大事にする絶妙なコミュニケーション方法です。
音楽療法
音楽が私たちに与える様々な力を利用して、対象とする方の心と体の健康の維持・改善・向上などを助けるための療法です。
対象者が抱えている困り事(さまざまな障害を含む)の回復や、心身機能の維持・改善、生活の質の向上、よりよい行動への変化などに向けて、音楽を意図的・計画的に使用します。
音楽療法は、音楽を学んだり、楽器を演奏する技術を習得したり、その向上を目指すものではありません。
私がお届けするオンラインカウンセリング「感覚チューニング」では、音楽の力を使って不安を軽減してリラックスを促し、楽しい気持ちで遊びながら感覚の統合をととのえることを目標としています。
音や音楽を体感して、感受性や想像力を高めることで、対人関係やコミュニケーション能力の向上も目指しています。
か
感覚統合
「感覚統合」でいうところの感覚は、全部で7つあります。
【視覚】【聴覚】【嗅覚】【味覚】【触覚】の五感と、【前庭覚】【固有受容覚】の二覚を合わせた7つです。
これら全部の感覚は、身のまわりの環境から絶えず、過不足なくバランスよく情報をキャッチしています。
その情報がスムーズに脳に送られて整理整頓されることを感覚統合といいます。
そして脳からは、身体のどこをどのくらい動かすかという指令が出されるわけです。
その指令に従って、実際に程よく動かせているかどうかの情報をキャッチして、それを脳とやり取りして微妙な調整をするために役立っているのも、また五感と二覚なのです。
このように、感覚統合のお陰で、私たちは周囲の環境や状況の把握が適切にできているのですね。
だからこそ、その場その場に応じた動きがとれたり、必要な注意の向け方が選べたり、それをふまえた物言いができたりしている、というわけです。
グレーゾーン
「グレーゾーン」「発達障害グレーゾーン」などは、医師がくだす診断名ではありません。
発達障害があるとは言えないけれど、得意なことと不得意なことの差が大きかったり、どうしても苦手なことがあったりして、日々困って苦労している場合に使われます。
得意なことと不得意なことの差が大きいことを、「発達のアンバランス」「発達の凸凹」「発達の偏り」「発達の特性」「発達が気になる」などと表現することもあります。
コミュニケーション
互いに情報の交換や伝達をすることで、発信する力と受け取る力が必要です。
私たち人は言葉を使って、相手から情報を受け取ったり(聴く)、相手に情報を伝えたり(話す)して、会話という手段で情報交換をしています。
直接会って会話をする他にも、電話で声だけのやり取りをしたり、メールや手紙などの文字だけのやり取りもあります。
また、対面の会話では、表情や視線・姿勢などといった言葉を使わない手段で情報を伝達したりもしています。
固有受容覚
筋肉の張り具合や緩み具合、関節の曲げ伸ばしの具合、またその大きさや速さなどの具合を感じている感覚です。
そこでキャッチされた情報がもとになって、身体の位置や動きが把握されることで、私たちの身体の動きは程よく調節されているのです。
目をつぶって拍手をしたり、ジャンケンをするときにも、固有受容覚が活躍しています。
筋肉や関節でキャッチされる情報と、これまでの記憶にある拍手やジャンケンのイメージをすり合わせて、パチパチという音やグー・チョキ・パーなどの手を前に出せたりしているのです。
さ
触覚
私たちは、身体を覆っている皮膚の感覚で様々なことを感じています、それが触覚です。
そのお陰で、実際に目でみなくても触るだけで、硬いのか柔らかいのか、鋭いのかツルツルしているのか、四角なのか丸なのか等々の情報をキャッチして、本当にたくさんのことを識別できているわけです。
ほかにも、熱い過ぎるのか冷たすぎるいのか、痛いのか痛くないのか等々、命に関わる情報も瞬時にキャッチしています。
前庭覚
耳の奥にある器官の働きによる平衡感覚のことです。
身体の傾きや揺れをキャッチして姿勢を保ったり、身体の動きの速さをキャッチしてバランスをとっています。
体勢や動きを調節するときには、目の動きや筋肉への力の入れ具合など、身体のあちこちの機能が総動員され連携し合っています。
た
トークンエコノミー法
トークン(ごほうびの引換券)を活用して、子どもの好ましい行動を増やして、好ましくない行動を減らす方法です。
子どもが自分に自信を持てるようにするための方法としても有効です。
な
二次障がい
ここでいう「二次障がい」は、発達のアンバランスという主要な要因のために、本来必要ない他の困りごと(いじめ、不登校、引きこもり等々)が生じていることを指しています。
本来必要ない困りごとなので、周囲の理解が得られずに傷ついてふさぎ込んでしまうとか、人と話すことを避けるようになってしまうとか、対人関係が怖くなって学校へ行けないなどということも含まれる、と私は捉えています。
は
発達検査
ここでいう「発達検査」は、知的な能力を把握したり、個人の得意・不得意などの特徴を知ったり、療育手帳取得のための判断に利用されたりする、様々な検査のことを指しています。
WISC(ウィスク)やWAIS(ウェイス)などのウェクスラー式は、比較的検査時間も短くて済むので広く使われいます。
他にも、ビネー式やK-ABC式など色々な検査があります。
*発達検査とは違いますが、不安や心配などを測る検査や親子関係を測る検査などもあり、本当に多くの検査があります。
どの検査も同じではなく、検査できる対象年齢や実施にかかる時間、検査の結果わかる内容やその使用目的などまで違いますから、検査機関や医師と相談しながら最適な検査を受けることが大切です。
「検査」というと、白黒つけるという捉えかたをしてしまいがちですが、大事なことは、良いか悪いかバッサリと決めつけることではないはずです。
検査によって分かった結果は、よりよい人生のために整えたり補ったりすることに利用したいものだと、私は考えています。
発達障害
発達障害は医師によって診断され、最近では、神経発達症と呼ばれることもあります。
診断書やカルテに書かれる診断名は、診断基準によっていくつかに分かれていて、それらを総称したものが発達障害や神経発達症となります。
先天的もしくは、幼児期の疾患や外傷の後遺症によって起きる中枢神経系の脳機能の障がいです。
生まれながら、または小さい時の病気や怪我による後遺症なので、親の育て方や本人の性格が原因ではありません。
そのメカニズムは現在も研究途中ですが、早期発見と早期対処で自分自身と上手く付き合っていくことが大事になります。
発達障がい
「障害」という漢字や、「はったつしょうがい」という響きのために、マイナスイメージとして周囲に受け取られがちなのでは、と私は思っています。
診断された本人自体は決して「障害」でも「害」でもないのにです。
私は「はったつしょうがい」とは、ある人の中に得意と不得意の差があって、その差の大きさが本人が困ってしまう理由の1つなのだと捉えています。
今のところ生活している環境や状況では、支障なく上手くやっていくのが大変で困っているだけ、という考え方をしているので、「発達障がい」「発達しょうがい」と表現しています。
ビジョントレーニング
「みる力」を高めるためのトレーニングです。
「みる力」には、【ものを目で捉える力】【目で見たものを脳で処理する力】【体を使って動かす機能】の3つがあります。
これら3つの力が具合よく働くことで、私たちは、見たいものを見たい時に見て行動できているんです。
ペアレントトレーニング
保護者が、楽しく子育てができるように支援する保護者向けのプログラムです。
子どもの「行動」に注目して、子どもとより良い関わりを学びながら、日常の子育ての困り事を解消していくトレーニングです。
1960年代のアメリカで開発され、現在ではさまざまな対象に向けて効果を発揮しています。
ま
や・ら・わ
リフレーミング
「リフレーミング」は、 英語の「リ」と「フレーム」からきています。
「フレーム」は、絵画などをかざる「がくぶち」のようなワクのことです
ある「フレーム」通して見ていることを、別の「フレーム」を通して眺めてみると、別の捉え方になりますよ、ということです。
くよくよめそめそしたり、不安になったり困ったり……ということを減らして、気持ちが楽になるようにするためのコツなので、わざわざ自分にの元気がなくなるような方向にリフレーミングする必要はありません。
だから、「他の人がどう思うか…」「普通は…」「常識だと…」「変じゃないのは…」「こんなこと思ったら相手は…」などということは、全く考える必要はありません。