こんにちは
お子さんの発達が気になるお母さんの味方
感覚チューニストのゆうです。
あなたは、発達障がいがあるお子さんとの関わりのなかで、ついつい「ダメ」って言いたくなることはありませんか?
お子さんの言動をご覧になって「それじゃマズイよ!」「そのままだと良くないな~」と思うと、「注意してあげないと!」「正してあげないと!」という気持ちになることも、少なくないのではないでしょうか。
悪気は全くないし我が子を思えばこそ……。
私もそういう気持ちでした。
だから、発達障がいがある子どもに対しては特に否定や禁止ばかりしてはいけない!と、本で読んだり人から聞いた時には理解に苦しみました。
あなたも、そうではありませんか?
ダメなことをダメと言わないで、一体どうやって注意したらいいの??
ダメなものはダメでしょ!……他に何て言えばいいの??
私は、八方塞がりになってしまったような気持ちになっていました。
あなたも、それで困っているのではないかと思います。
それなら、もう大丈夫ですよ!
「ダメ」って言わなくても済む方法は沢山あるので、それらをご紹介したいと思います。
それでは今回も、ヴァイオリンを少しお聴きいただいてから、発達障がいのある子どもとの関わり方!ダメと言わずに済む10の方法!というテーマでお届けしてまいりますね。
発達障がいがある子どもとの関わりで困ること
かつての私は我が子たちに対して、「ダメ!」とか「いけません!」という言葉を結構強い口調で言い放っていました。
時には、我が子の手や体などを咄嗟に強く掴んで、その言動を強く制したりすることもありましたね~。
そのような状況で、「ダメ」なことなのに「ダメ」という言葉が使えないとなると、板挟みになってしまうわけです。
まずは、そのような状況で困ってしまうことを一緒に考えてみましょう。
子どもに「ダメ」と言いたくなることが多い
まず1つ目は、「子どもに【ダメ】と言いたくなることが多い」ということです。
発達障がいのあるなしに関わらず、赤ちゃんがハイハイするようになって自分で自由に動き回れるようになった頃から……お母さんは、危ない目に遭わせてはいけないと朝から晩まで目を配り、「ダメ」と口にすることが多くなるのではないでしょうか。
「ダメー!危なーい!」と大声を出しながら追いかけて走っていき……。
ひと目を気にしてしまう場面では、心の中で思いっきり叫びながら、お子さん目がけて猛ダッシュ……。
我が子が大きくなっても私は、あれもこれも目について正したくなることが多かったように思い出します。
片付けをしない様子に、「机の上を片付けなさい!そんなじゃダメだよ!」
学校の提出物が間に合わなそうで困っている時に、「今頃何やってるの?ちゃんとしておかなくちゃダメでしょ!」
あなたは、いかがでしょうか。
発達障がいがあったり、診断がなくても発達の偏りがあるお子さんの場合、端からは「何で出来ないの??」「しっかりしなさい!」「そんな態度じゃ、この先やっていけないんじゃ……。」という見方をされてしまうことが多くなりがちです。
だから私たちお母さんを含め周囲の人は、朝から晩まであれもこれも目について注意したくなってしまう、そして注意してしまう。
ダメな理由までちゃんと言わなくちゃと思うから、熱弁してしまうし興奮もする……これはこれで結構なエネルギーが必要です。
疲れるし悩みの種にもなる「ダメ」と注意することについて、お役御免になれば一気に楽になれそうですが……??
そうそう簡単ではないのですよね!
「ダメ」と言いたくなる状況にあって「ダメ」と言えない場合、言葉に詰まってしまったりして、これはこれでまた本当に困ってしまうわけです。
子どもに「ダメ」と言っても言動が改善しない
次に、「子どもに【ダメ】と言っても言動が改善しない」ということがあります。
「ダメ」と言わずにいられない場面が多くて、ついつい「ダメ」を連発してしまうけれど、結局は何も変わらないということも少なくはありません。
そんな光景を見たり思い出しただけでも、疲れた気持ちになったり大きなため息が出てしまうほどです
でも、相手に合わせて理解しやすいように伝えないと、こちらの言っていることが上手く伝わらないということは、発達障がいのあるなしや年齢などに関わらず、そう珍しいことではないわけです。
あなたも日頃、目の前のどなたかに何かを伝えようとした時には、その方に伝わるように伝えようとしているのではないでしょうか。
例えば、こんな確認をササッとして、より伝わるようにと工夫をされていることと思います。
- 相手がこちらの存在に気が付いているか。
- 相手がこちらの話に聞く耳をもっていそうか。
- 相手はどの程度の日本語を理解できるか。
- 相手はどの程度の内容を理解できるか。
さらに、相手の方が日本人ではないようなら、英語で伝わるだろうか……片言で大丈夫かな……という心配もよぎりますよね。
また例えば、ご高齢の方だったりしたら、お耳が遠くないだろうか……と様子をうかがったりもするでしょう。
そうなると……もしも目の前のお子さんにいくら繰り返し「ダメ」と言っても、それが上手く伝わっていない場合には、お子さんの様子に変化がないとかあなたの望むようにはお子さんの言動が改善されない、ということが起こりうるのです。
特に、発達に偏りがあるお子さんの場合、そのお子さんが吸収しやすい伝え方をしないと、スムーズには伝わらないことがあります。
日に何度も「ダメ」と言いたくなるし、現に一生懸命「ダメ」と言っていても何の変化も感じられないと、気持ちの面でも相当疲れが溜まっていってしまいますよね。
子どもに「ダメ」と言うのは良くないと言われる
3つ目に、「子どもに【ダメ】と言うのは良くないと言われる」ということについて、お伝えいたします。
先にお伝えしたように、お子さんに気になる言動があって注意や禁止もしているけれど、思うようには良くならない毎日にあって、こんなアドバイスがあることを知ったら……。
発達障がいがあるお子さんには特に、否定したり非難したり、厳しく制したり禁止したり、頭ごなしに強く言ったりしないようにしましょう!
あなたも、どこかでお聞きになったり目にされたことがあるのではないでしょうか。
私は子育てにおいて当たり前のように、これっぽっちの悪気もなく、とても真面目に非常に真剣な気持ちで、上記のこと全部をしてしまっていましたし、物事について何か伝える時にも否定的な表現を使うことが少なくありませんでした。
だから、子どもへの適切な対応や関わりについて知るようになったばかりの頃は、発達のことに詳しい方からアドバイスをいただいても耳を疑ったくらいでした。
「え?今【禁止したり否定したりしてはいけない】っておっしゃいましたか?良くないことをした時には禁止したり否定しないとダメですよね?だから、そういう時には関係ない話ですよね?」
当時を思い出すと、私のことですから、きっとこんな風に質問したのではないかと容易に想像できます。
その時は、どうして否定してはいけないかという説明を受けたり、代わりにどう言えばいいのかも教えていただいたと思うのですが、分かったような分からないような……そんな気持ちで帰宅したのを覚えています。
案の定その後、我が子に対して否定したり注意したり、禁止したり「ダメ」って言いたくなった場面で、【禁止したり否定したりしてはいけない】というアドバイスを思い出して、板挟み状態になって困ってしまったことが何度もありました。
子どもに「ダメ」と言わずに済む方法が分からない
それでは4つ目の、「子どもに【ダメ】と言わずに済む方法が分からない」ということについて、お話しいたします。
先ほどの話の続きになりますが、「ダメ」って言いたい時に「ダメ」を含む否定的な表現が使えないとなると、他の言い方を知らない場合、言葉に詰まってしまうのです。
それまでは何気なく頻繁に使っていた言葉が、突然NGワードになって使えなくなるのですから、何かのゲームみたいですよね。
「先にお風呂に入っちゃって~!後からじゃ……。(あっ「ダメ」って言っちゃいけないんだった……。)」
「もうこんな時間!早く学校に行かないと……。(あっ「いけません」って言っちゃダメなんだ……。)」
否定的な言葉の代わりに、何て言えばいいのか分からないのです。
「何も言えないってことになっちゃうんだけど……。」
子どもへの対応について、まだまだ初心者だった私は、困ってしまっていたわけです。
禁止したり否定したくなった時の対応については、子どもの状況や様子をそのまま伝えたり、その状況や様子について子どもに「どお?」と聞いてみたりするといい、と教えていただいたような記憶もあります。
でも私には、わざわざそんなことをする理由が良く理解できていなかったし、何の効果があるのかも分からないから必要そうにも思えなかったし、咄嗟に口から出てしまう否定的な言葉を変換して表現するなんて出来なかったのです。
ダメって言いたいけどダメって言っちゃダメ……じゃあ一体どうしたらいいの?
思い返せば、この疑問というか課題は、私の中で結構長い間もやもやしていましたね~。
発達障がいがある子どもにダメと言わずに関わり方10選
いかがでしたか?
お子さんの言動について注意したり禁止したくなる場面が多いと、「ダメ」って否定的な表現をしたくなってしまうことも、どうしたって多くなりますよね。
それでも現状が良くならなかったり、「ダメって言ってはダメ」なんてことを耳にすると、じゃあ一体どうしたらいいの……??となってしまって、益々困ってしまうわけです。
そこでここからは、お子さんに「ダメ」と言わずに済む方法についてご紹介いたしますね。
禁止しなくていいことまで禁止しない
まず1つ目は、「禁止しなくていいことまで禁止しない」ということです。
かつての私は、どうして子どもの言動に対して「ダメ~!」と注意したり禁止したりしていたのでしょうか……?
あなたはどうして、今のお子さんの言動について「ダメ」だと思うのでしょうか……?
お子さんに対して、最近「ダメ」と口走ってしまいたくなった言動を思い出してみましょう。
もしかしてその言動……お子さんが赤ちゃんの頃には決して強く禁止もしなかったし、ダメだとすら思わなかったのではないでしょうか。
それがいつの間にか、「○○をしたらダメ」「○○はダメ」という決まりになってしまったのですよね。
朝から着替えないで一日過ごすなんて…………だらしない??
○○歳にもなって挨拶が出来ないなんて…………躾がなっていない親だって思われたら困る??
自分が「ダメ」と言いたくなる時、その対象となる言動はどうして「ダメ」なのかよくよく考えてみましょう。
例えばそれって、何が何でも禁止しないとならないことなのかしら……絶対に制止しなくてはいけないことなのでしょうか……。
中には、親の側の都合や世間体などが優先されたりしていることも、少なくはないのではないかと思います。
現時点の子どもの側からしたら、案外どうでもいいことだったりしませんか?
何よりも、私たち親が一番避けたいことは、我が子の生命を一瞬で脅かすようなことに繋がる事柄なのではないでしょうか。
今は、最も「ダメ」なこと以外については百歩譲って、ひとまず「ダメ」ではないことにしてみませんか?
禁止しないとならない状況を減らす
次に2つ目は、「禁止しないとならない状況を減らす」ということになります。
どうしても「ダメ」と言わなくてはならなそうな状況を無くしたり減らしたりして、お子さんの自由な言動に任せましょう。
例えば、お子さんが手に取ったら「ダメ」って言いたくなる物、それで何かしようとしたら阻止したくなるような物などは、手の届かないところや見えない所に置けば済みますね。
お家の中の収納を工夫する時のように、上ではなく下へ、近くではなく遠くへ、床に置くのではなく上から吊す、右ではなく左へ……等々、柔軟に考えて色々工夫してみてくださいね。
あなたの目にいつでも入るように飾っておきたいお気に入りの物も、もしもお子さんが注意深く行動しないと触れて落ちてしまったり壊れてしまいそうなら、今は大事にしまっておきましょう。
そうしたら、「ダメ」っていうのを我慢したり「ダメ」の代わりの表現を探す必要もなく、自動的に「ダメ」って言わないとならない場面が消えるわけです。
「ダメ!」「気をつけて!」「ちゃんと見て!」「だから言ったでしょ!」「何度言わせるの!」などという言葉が行き交うことが減りますね。
あなたの側は、ドキドキ・ハラハラ・イライラすることが減って、穏やかな気持ちでいられる時間が増えると思います。
お子さんの側も、気を張る時間が減って自由で開放的な気持ちでいられる時間が増えることでしょう。
お子さんの様子や状況などを観察する
そして3つ目は、「お子さんの様子や状況などを観察する」ということについて、お話しいたします。
お子さんの姿が目に入った瞬時に、「ダメなことをしている!」と思ったり、「ダメなことをしそう!」と考える前に、まずはお子さんの様子や機嫌、その場の状況などを観察してみましょう。
すると案外、まだ「ダメ」なことをしていない段階だったり、こちらが予想している「ダメ」なことには意識が向いていなそうなこともあるものです。
触って欲しくない物に手を伸ばしているみたいだけれど、その先それを持ち上げようとしているのかどうかは、まだ分からないとか。
近寄って欲しくない「ダメ」なものは目に入っていない様子で、体の一部が触れそうになっているだけで、全く別の物に興味津々な様子だとか。
それが分かると、いきなり「ダメ」と言わなくても他の言い方で済むことは少なくありません。
例えば、「何をしているの~?」「ど~したいのかな~?」などの質問や、「○○があるね~」それは○○だよ~」などという状況説明になるかと思います。
早急に制止しなければ!と感じても、まずはお子さんの様子や状況をほんの数秒でも観察してみると、本当に「ダメ!」と言うのがふさわしいのかどうかを吟味する時間にも充てられますね。
否定されるとどんな気持ちになるか想像する
それでは4つ目の、「否定されるとどんな気持ちになるか想像する」ということについて、ご説明いたします。
もう何十年も生きている私たち親からすると、まだまだ経験の浅いお子さんが言っていることやしていることは、明らかに「違う」「間違っている」「おかしい」「変だ」「良くない」「恥ずかしい」「下手だ」「余計だ」「手際が悪い」……そんなマイナスな感想になりがちですよね。
マイナスな感想を抱いている時には、少なくとも嬉しい気持ちにはなれていないはずですから、否定的な言葉を使った表現になってしまうのは自然の流れですし、表情だって決してにこやかではないと思います。
でも、そんな人が目の前にいたら、嬉しい気持ちになんてなれません……私たちもそうではありませんか。
心に強くグサグサグサグサー!っと突き刺さってしまうことも珍しくはないでしょう。
それは、言葉の意味や言われている内容が良く理解できない子どもであっても同じで、悲しくなったり面白くない気持ちになったり、反抗的な態度を取りたくなったり何かに八つ当たりをしたくもなるわけです。
特に、発達障がいがあったり診断はなくても発達に偏りがある場合、その傾向は強く、まるで自分自身のことを完全に否定されたように強く受け止めてしまい、後々まで引きずってしまうことがあるように思います。
あなたのお子さんはいかがでしょうか。
もしかしたら、お子さんの表情からだけでは分からないかもしれません。
表情に出さなかったり、出せなかったり、どういう表情をすればいいのか分からなかったり……色々と事情がある場合もあるからです。
お子さんの様子をご覧になりながら、何かマイナスな言葉をかけたくなったら、「誰だって否定されたら嫌な気持ちになるかもしれないよな……我が子は嫌な表情は見せたことがないけれど……。」と思ったり考えたりしてみてください。
するときっと、いきなりガツンと否定!の前のクッションとなるはずです。
お子さんの視界に入り込んで伝える
さて5つ目は、「お子さんの視界に入り込んで伝える」ということについてです。
これまでにお伝えしたようにお子さんの様子や状況を観察したり気持ちを想像したりして、それらを踏まえて、お子さんに何か言う時や質問したり状況の説明をしたりする時には、お子さんの視界に入り込んで伝えましょう。
お子さんが、あなたがそこに居ることを意識してくれているか、あなたの言うことを耳に入れてくれるかどうかで、あなたが伝えたいことがお子さんに届くか届かないか、大きく左右されるからです。
普段何気なく生活している私たちも、目の前にいる人が話していると分からなければ、また自分に向かっての発言だと認識しなければ、聞き漏らしてしまったり聞き流してしまったりしますよね。
まして、自分の近くに人はいないと思っていたら、人の気配を感じることもないし、人の声が聞こえるかもと耳を澄ますこともないわけです。
そんな状況で、いきなり人の声が聞こえたり何か説明されたとしても、「……ん?何か聞こえた……?かも?」というだけで終わってしまう可能性が大きいとは思いませんか?
まずは、「私はここにいますよ~。今から話しますけれど、聞いてくれる準備はできていますか~?」という気持ちで、お子さんの視界に登場しましょうね。
何か伝えるなら、それからです!
あなたの存在をジェスチャーで知らせる
では6つ目の、「あなたの存在をジェスチャーで知らせる」ということについて、お伝えいたします。
お子さんに何かを伝えようとしたいなら、まずはお子さんにあなたが目の前にいることを認識してもらわないとならない、ということは先ほどお伝えいたしましたね。
その時にジャスチャーを使うと、お子さんの視界の中に入っているあなたの存在を、より効果的にアピールすることが出来ます。
お子さんが何かにすごく集中していたり夢中になっている状況だったら、普段見慣れているあなたが近くにいても、ちょっと動いたとしても、特に気に留めてくれないこともあるでしょう。
ただ単に、「お母さんが……いるかも……。」で終わってしまっては、不十分なわけです。
あなたが近くにいてくれていると分かって安心したお子さんにとって、あなたがそのまま空気のような存在になってしまったら、お子さんはまたすぐに自分が夢中になっていることに集中してしまうかもしれませんからね。
だからあなたには、ただ目の前にいるだけではないのだと伝えるために、こっちを見て!こっちに意識を持ってきて!という気持ちをアピールするために、ジェスチャーを使っていただきたいのです。
「〇〇ちゃん!」「お~い!」などと声をかけたり、お子さんの目の前で手を振ってみるとか、大きく腕や体を動かしたりして、存在感を出してみましょう。
そして、お子さんがあなたの方を見てくれたら、視線を合わせてくれたら、すかさずニッコリ笑顔で「ねえねえ!」「〇〇ちゃん!」と、改めて声をかけてあげてくださいね。
なるべく意識をこちらに置いておいてもらいたいので、その努力をするというわけです。
物事の善し悪しをジェスチャーで表現する
7つ目に、「物事の善し悪しをジャスチャーで表現する」という内容になります。
あなたの存在をジェスチャーでアピールしたら、同じ要領で、物事の善し悪しを伝える時にも手足体を使って表現しましょう。
最近は、スマホやパソコンなどを使ってオンラインで人と会うことがありますね。
あなたも、ネットの通信状況によって音声が途切れたり画像が乱れたり、という体験をされたことがあると思います。
そんな時に、「聞こえませ~ん」と言いながら耳に手を当てたり首を横に振ったり、手をひらひらさせて「ダメ」を表現してみたり、腕や手や指で「バツ」を作ったりしませんか。
反対に状況が改善された時には、ニコニコして首を縦に振ったり、指で「OK」を作ったり、手や腕で大きく「まる」を作ったりして知らせるのではないでしょうか。
それを思い出して、お子さんに伝えたいことがある場合には、言葉を使って耳に届けるだけでなく、目に見える情報としても届けてあげましょう。
「OK」「いいね~」「まる」などの肯定的な表現は、表情やジェスチャーの大きさによっても賞賛や喜びの度合いを伝えることが出来ますね。
また、「それは危ないよ」「これは触らないでね」と言葉にしながら「バッテン」を見せることで、より伝わりやすくもなります。
ジェスチャーだけに限らず、「○」や「×」などを紙に書いて提示してもいいですし、ニコニコ顔やプンプン怒っている顔、うぇんうぇん泣いている顔を描いて見せてあげてもいいですね。
一方で、お子さんの言動を禁止したり制止したい時には、ジェスチャーだけでも十分なことがあります。
例えば、言葉で「ダメ」「いけません」と注意されることが多い場合、無言で「バッテン」のジャスチャーだけを提示されて沈黙が続くと……「ん?何かいつうもと違うぞ!なんだ?」と、より真剣に注意深く受け止めてくれるかもしれません。
それから、否定的な言葉や感情などに敏感なお子さんの場合には、言葉そのものからだけでなく、その言葉を発している人の表情や態度や言葉尻り等から受け取ってしまいがちな強いマイナス刺激を減らしてあげることも出来ますね。
伝えたいことを肯定的に表現する
8つ目は、「伝えたいことを肯定的に表現する」ということについて、お話しいたします。
物事の善し悪しを「まる」や「バッテン」で伝えたとして、それらの程度については勿論ですが、他にも伝えたいことが沢山ありますよね。
お子さんの側も、「どうして『まる』で表現されることなのか?」「なんで『バッテン』を見せつけられないとならないのか?」と、分からなかったり不思議に感じたりもするでしょう。
普段の会話でも、伝えたいことの内容を詳しく説明したり、その理由やワケまで話したくなったり、何かエピソードを紹介したくなるなど色々あると思います。
そのような時には、なるべく否定的な表現にならないように工夫してみましょう。
例えば先ほど出てきた、「それは危ないよ」「これは触らないでね」という表現は、「危ないからダメッ!」「これは触っちゃダメでしょ!」という言い方と比べると柔らかい表現になっているのではないでしょうか。
さらに、否定的な表現から遠ざかる文言を考えてみましょうか。
「それは危ないものだったね~ここに置いちゃってゴメンね~。」
「これは今はまだ早いかな~大人が使うものなんだよね~。」
お子さんの年齢やご様子、ご家庭での普段のやりとりの流れなどもありますから、これらは参考例になります。
でも実際に私は、「ダメ」という言葉を使わずにこういった表現をすることの方が多いのですが、その場に平穏な空気が流れ続けることが殆どなのでオススメです。
お子さんに望ましい言動を提案する
9つ目は、「お子さんに望ましい言動を提案する」ということについてです。
伝えたいことを肯定的に表現した時点で、あなたもお子さんも気持ちが落ち着いていて、時間の余裕もあって、さらにお子さんの集中力もまだ続くようであれば、お子さんに望ましい言動を提案してみるのもオススメです。
あなたが思う、「私ならこう考えるな~」「こんな方法もいいんじゃないかな~」ということを、お子さんに紹介してあげましょう。
ポイントは、「提案」したり「紹介」するということです。
決して、「~しなさい」と命令したり、「~が良いに決まっている」と決めつけたりしないようにしてくだいね。
人の命に関わったり、人に危害を与えてしまうようなことでなければ、そういう言い方をしなくてもいい、と私は考えているからです。
今すぐに何が何でも従うように強制する必要もないのではないでしょうか。
さて話を戻しますが、お子さんへの話が少し長くなるようであったり、集中してもらいたい時などには、改めてお子さんの意識をあなたの方に向けてもらったり、気持ちも新たにあなたがお話しされる内容を受け入れてもらう必要があるかもしれませんね。
そんな時には、お子さんが好きな歌を歌ったり、一緒に手拍子をしたり踊ったりしてもいいでしょう。
そうすると、お子さんの頭の中も気持ちもスッキリして、あなたの提案がス~ッと入っていきやすいのではないかと思います。
まだ他のことに心残りがあるままでは、例えそれが素晴らしい内容だとしても受け入れてもらいにくいでしょうし、機嫌を損ねられてしまったり、即却下されてしまうかもしれませんからね。
望ましい言動のお手本を見せる
最後に、「望ましい言動のお手本を見せる」ということについて、お伝えします。
ジェスチャーでバッテンを表現したり、「こうしようね!」「こんな風にするといいよ!」と言葉で伝えたりするほかに、こちらも効果的な方法です。
お手本になるような言動を言葉で表現しようとしても、なかなか難しかったり詳しいところまで伝えきれないことってありますよね。
どんなにいいアイデアを提案されたとしても、具体的に想像できなければ、「ふ~ん、そうなんだ……。」で終わってしまったり、「で?どうしたらいいの?」と先に進めないこともあるでしょう。
お子さんの、そんなもやもやをスッキリさせてあげたいですね。
だから、あなたが思う望ましい言動を実際にお子さんの目の前でやってみて、お手本にしてあげましょう。
「ここはね、こうしてね、こうするの」と言いながら動きも示してあげれば、細かいところまで理解してもらいやすいですよ。
左右が逆になると混乱しそうな動作の場合には、あなたがお子さんと同じ方向を向いて立ったり座ったりして見せてあげましょう。
その時に可能であれば、あなたが力を入れている方向や力加減などの具合も確かめてもらうといいですね。
あなたが長年かけて身につけてきた名案を、手足体を使って、どうぞ何度でも繰り返し見せてあげてくださいね。
以上オススメの10個をご紹介してまいりましたが、急にこれまでと違う対応なんて出来ない!ちょっと気恥ずかしい!……色々なご都合があると思います。
いきなりあれもこれも出来なくてOKです!
自分にとっての都合や具合の良さは人によってそれぞれですから、あなたが一番やりやすい方法から試してみて、あなたとお子さんにとってしっくりくる方法になるよう、どんどんアレンジしていって欲しいと思います。
発達障がいがあるお子さんとの関わり方については、こちらでも詳しくご紹介していますので、よろしければご覧くださいね。
⇒発達障がいがある子への声かけ!注意や禁止を減らせる3つの着目点!
⇒発達障がいがある子への声かけに【最適なタイミング】と【具体的な内容】を紹介!
⇒発達障がいがある子どもへの対応は?怒らずに優しく叱るための5ステップ!
⇒発達障がいがある小学生への接し方は?厳しく怒るのは逆効果!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、発達障がいのある子どもとの関わり方!ダメと言わずに済む10の方法!というテーマでお届けしてまいりました。
誰でもいきなり大きな声でダメと禁止されたらビックリするでしょう。
毎日毎日、否定的なことばかり言われていたら、面白くない気持ちにもなってしまいます。
好奇心旺盛で何でもやってみたい子どもなら、尚更です。
お子さんがすることについて、本当に強く禁止しなくてはいけないことは案外少ないのではないでしょうか。
どんな状況なのか、どんな気持ちなのかを想像して分析してみると、自然と伝え方が変わってくるはずです。
あなたの心と体の疲労もグッと減りますよう、祈っております。
あなたが、お子さんとの関わりについてもっと具体的に知りたいと思われていたら、無料メール講座をお読みになってみませんか。
ご登録特典では、私がしがちだったマイナス表現をプラスに変えたものを一覧にして、プレゼントさせていただいております。
また、お子さんの普段の様子や仕草について、いつでも笑顔でコメントしてあげられるように願って、感覚統合という考え方についても分かりやすくお話ししていますので、お役立ていただけると幸いです。
それでは今回は、こちらで失礼いたします。
最後までお読みくださって、どうもありがとうございました。
感覚チューニスト ゆう
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