発達障がいがある子供は人の気持ちがわからないの?

こんにちは
お子さんの発達が気になるお母さんの味方
感覚チューニストのゆうです。
あなたは、お子さんとの会話の中で、「ん?今ここで?それ言っちゃう?」って思ったことはありませんか?
ご家族同士のやりとりだけでなく、他の人との関わりの様子に、ヒヤヒヤする場面はないですか?
あなたが想像できないような、キツイ言い方や冷たい言い方をしたり、意地悪ともとられかねない行動をとることはないでしょうか。
でも一方で、あなたに優しい声をかけてくれたり、お手伝いをしてくれることもありますよね。
それならどうして、反感を買いそうな言動をとったら「お友だちから嫌われるかも!」って思わないのでしょう?
私は、発達が気になる我が子の発言に「ん?なんで今?」「もう少し違う返答はないかな~……。」と、不思議に思ったことがあります。
あなたも、お子さんの言動に「あれ?何故?」「もしかして発達障がいと何か関係があるのかな?」と、お感じなのではないかと思います。
だけど、お子さんには優しい気持ちもあるし、人の気持ちがわかっていないなんて……と、「発達障がい」と「人の気持ちがわからない」の関係が分からなくて、もやもやしているのではありませんか?
でも大丈夫です、これからそれについて詳しくお話ししてこうと思いますので、安心してくださいね。
それでは今回は、発達障がいがある子供は人の気持ちがわからないのか、というテーマでお届けしてまいりますね。
Contents
こんなことはありませんか?
まずは、発達障がいとは関係なく、「子供は人の気持ちがわからない」と言われるような言動について、思い浮かべてみましょう。
「そんなこと言っちゃって~~!」
まわりから、こんな風に思われてしまいそうな言動について、例え話を通して一緒に考えてみませんか?
<<子供を連れたお母さんが、数年ぶりにバッタリ懐かしいお友達ママに会いました>>
お母さん「○○さん!お久しぶり~!」
お友達ママ「あら~!△△さん?久しぶり!元気にしてた?」
お母さん「うん、元気!元気!今日は子供と買い物に来たの!」
子供「(突然、お友達ママのお腹を、指で力強くググ~ッと押して)中年太りですかぁ?」
お母さん「………(なんてことするの!言っちゃダメー!)。」
お友達ママ「………(なんて失礼なの!ひどいしムカつく!)。」
お母さん「なにやってるの!ダメでしょ!謝りなさいっ!」
子供「ダイエットするするって言って、食べてるんじゃないのぉ~?お母さんも見習いな!」
いかがですか?
これは例えなのですが、あなたやお子さんにも思い当たる場面がありましたか?
あれば、その場面を思い出しながら、この例え話の中で「人の気持ちがわからない」と、言われそうな言動について考えてみましょう。
言動1.デリカシーに欠ける、なれなれしい、失礼な発言
まず1つ目は、「デリカシーに欠ける、慣れ慣れしい、失礼な発言」です。
例え話の子供を思い出してくださいね。
普段からよく会っているとか特別仲がいいわけでもないのに、「こんにちは」もすっ飛ばして、いきなり大声で「中年太りですかぁ?」は、デリカシーに欠けていて失礼ですよね。
注意されて謝るどころか、「ダイエットするするって言って食べてるんじゃないのぉ~?」では、言い方も慣れ慣れしいし、さらに場が凍りますね。
こんな時に、言われた側がどんな気持ちになりそうなのか分かっていれば、子供のお母さんのような発言になるのではないでしょうか。
お友達ママを前にして、(もしかしたら本当に体型が変わっていたかもしれませんが)まずは、体型のことには触れず「元気ぃ?」と言っていました。
いきなり、「太ったね!」なんて言っていませんでしたよね。
その後も、子供と買い物に来ていることは話していますが、そこで突然、子供の遠足のお弁当を作る手順を話し続けたりもしていませんでした。
その結果、和やかな会話が成立していたわけですね。
あなたもきっと日頃から、そんな会話のやり取りをされていることでしょう。
言動2.加減のない動作、失礼な動作
次にご紹介する言動は、「加減のない動作、失礼な動作」です。
例え話の子供は、お友達ママのお腹を突然、指で力強くググ~ッと押していました。
子供同士で毎日のように会っていて、体を触れ合ってふざけ合う仲であれば、お腹に指を突っ込むなんて日常茶飯事かもしれません。
でも、この子供の場合は、お友達ママと日頃から会っているわけではないでしょうし、しかも年上です。
さらに、もしこの子供が男の子で小学校高学年だったら、お相手が女の人ということになりますから、益々失礼な行動ということにもなりますよね。
お友達ママは、予期せず構えてもいなかったでしょうから、「なんて失礼!」と思うとともに痛みだって感じたかもしれません。
言動3.どこかズレているような受け答え
では3つ目の、「どこかズレているような受け答え」についてです。
この子供は、お母さんに「なにやってるの!ダメでしょ!謝りなさいっ!」と、言われていました。
きっと多分、すごく怖い形相で強い口調だったでしょうね……。
私が子供だったら、瞬時に「しまった!怒られる!」と恐怖を感じたのではないかと思います。
あなたは、いかがですか?
間違っても、「ダイエットするするって言って食べてるんじゃないのぉ~?お母さんも見習いな!」なんて発言はしないのではないでしょうか。
「見習いな!」も、あれれ?太っているのを見習うの?言い間違いかな?となるかもしれません。
このように、聞かれたことに対する応答がズレていたり、聞いた側が気抜けしてしまうような答えが返ってきたりしています。
こんなことがあれば発達障がいと関係があるのかも!
いかがでしたか?
デリカシーに欠けていたり失礼だと思われるような言動や、見当違いの応答があっても、小さい子供だと「まだ子供だから仕方ないよね~」って言われるだけだったりしますよね。
ただ一方で、多くの子供は、これらの言動を自然としなくなるのです。
子供一人一人の成長や発達の違いはあるものの、だいたい同じような流れで少しずつ少しずつ、多くの大人のような言動を選択できるようになっていきます。
そのような中で、発達が気になるお子さんの場合は、そうでないことがあります。
我が子が、発達障がいの疑いがあると言われたのは小学校を卒業して何年もたってからでしたが、あまり知らない人との会話にどことなくズレがあって、 そのことも医師の診断材料になっていました。
我が子とは、生まれてきてくれてからの長い付き合いで、日頃の会話には何の不便も感じていなかったので、大変なショックとともに非常に不思議に思って、医師に聞いたことがありました。
すると、
「たいていの人は成長とともに自然に、初対面の人とでも何となくその状況に会った会話などのやり取りが、できるようになるんだよね。でも、発達の偏りがあると、そういうのが苦手だったり難しかったりするんですよ。」
というお話でした。
私は、医師の説明に、自分のことを振り返ってみたんです。
すると確かに、私はどなたかと会ったり話たりする時に、意識しないで自然と、その方の第一声の言葉尻やイントネーション、お相手の顔色など伺っていることを思い出しました。
そして、それまでの体験や経験から、ああ言ったら会話が続いたとか、あんな話をしたら会話が弾んだっけ……と思い出して、その場面に良さそうかな~と当たりを付けてから、話たりしているかも……と、思ったんです。
改めて、「あれ?そういえば……誰にも教えてもらっていないかも!」と、気がついたわけです。
あなたが日頃、何気なくされている言動も、そうではありませんか?
おそらく、だいたいの人が、各々だいたい同じような経験を通して、そこからだいたい同じように、何となく覚えてきていることだと思います。
だから、もしかしてあなたのお子さんが、状況に会ったやり取りが苦手だったり、人の気持ちが分からないのかしら?と思われる言動があるのであれば、 発達障がいによるものかもしれませんね。
ただ、そうかもしれないと思うだけで、心がザワザワしませんか?
それに、人の気持ちが分からないかもしれないなんて……と、ショックで立ち止まってばかりもいられませんよね。
でも!じゃあ!どうしたらいいの?って思いませんか。
私は、発達が気になるか否かにかかわらず、我が子とのやり取りである工夫をしています。
その工夫のお陰で、発達が気になる我が子も今では、会話のぎこちなさが軽減されてきています。
それをご紹介したいと思います。
人の気持ちが分かる子どもになって欲しいから!
例え話の登場人物が我が子で、お友達やまわりの大人から「あの子は人の気持ちがわからない」と言われていたとしたら……、私は悲しさと不安と心配と……複雑な気持ちになります。
我が子が困ったり苦しんだりしなくていいように、人の気持ちがわかるようになって欲しい…。
あなたも、そんな気持ちではありませんか?
だけど、お子さんが誰かと会うたびに、あなたが一つ一つ丁寧に場面の説明をして、そこにいる人々は何をどう思っているのか、どんな言動をすればいいのかなどを、詳しく解説していくなんてことは出来ないですよね?
例えそれが出来たとしても、その間に、まわりの話題は変わってしまうか、みんなどこかへ行ってしまうでしょう。
でも安心してください、それを防ぐための工夫がありますので、ご紹介いたしますね。
その前に、あなたに忘れて欲しくないことがあります。
それは、今のあなたは、目で見ることが出来ない雰囲気や普段は意識しないようなことでも、必要に応じて察知して意識して程よく記憶しておいて、その言動を適切な場面で引っ張り出すことができている、ということです。
つまり、多くの人にとっては誰にも教えてもらわなくても知っていることが、実はお子さんにとっては「知らない初めてのこと」なのかもしれない、ということを忘れないで欲しいのです。
それでは、お家にいながらでも、人の気持ちがより分かるようになるための手助けになりますから、これからお伝えする工夫を是非試してみてくださいね。
工夫1.捉え方・考え方を伝え合う
1つ目の工夫は、「捉え方・考え方を伝え合う」ということです。
あなたが「あれ?」と感じた言動があった時や、日々の生活の中の一コマの出来事について、あなたとお子さんの捉え方や考え方を伝え合ってみるのです。
その言動は、場合によっては、あなたが正しくふさわしいこととして積み重ねてきたことと違うかもしれません。
また、お子さんにとっては見えにくく、分かりにくく、意識しにくく、想像しにくいことが、あなたには理解しにくいこともあるでしょう。
どんな発言にも行動にも、または出来事に対しても、お子さんなりの捉え方や考え方があります。
それを教えてもらいましょう。
そして、あなたはどう捉えて考えるのか、その手がかりは何なのかを伝えてあげて欲しいのです。
伝えるというのは、「これが正しいのよ!だから今度はそうしてみなさい!」ではありません。
「私(お母さん)は◯◯だと思うんだけれど、あなた(お子さん)はどう思う?」という感じで、ただ伝えて紹介してみるだけです。
するとそこでまた、お子さんの捉え方や考え方を、さらに教えてもらえるかもしれません。
お子さんご本人に聞かせてもらう、教えてもらう、というところが重要です。
家族のどなたかが言われるから、「じゃあ、そうなんじゃないかしら……きっとそうだよね~。」ではありません。
また、問いただして、教えこんだりすようなこともしないでくださいね。
すると、次にご紹介する工夫も、楽しくスムーズにできると思います。
工夫2.物語の登場人物になってみる
それでは2つ目の工夫、「物語の登場人物になってみる」についてお話しいたします。
「物語」は、絵本でも昔話でも、ふとあなたの頭に思い浮かんだお話でも、外出中に見聞きした出来事でも、日頃の生活場面を切り取るでも、何でもいいのです。
「登場人物」も、主人公でも悪者悪役でも、鬼でもいいし、道端の花でも、やまんばだって構いません。
あなたがお話ししてあげる立場になると思いますが、そこで登場する人や物だったらどんな気持ちになるか、想像し合いっこするのです。
お子さんから、どんな気持ちが出てくるでしょうか?
お子さんの気持ちを教えてもらった時には、あなたの気持ちや捉え方・考え方も紹介してみましょう。
あなたがお子さんと一緒になって、色々な立場で色々な気持ちを出し合えば出し合うほど、お子さんにとっては貴重な模擬体験・経験になることでしょう。
人は、それぞれの立場や経験・体験によって色々な捉え方・考え方をするものなんだ、という貴重な予備知識にもなります。
楽しくふざけた内容もでてくるでしょう。
そんな時にも、お子さんにはお子さんの気持ちがあることを、忘れないようにしてくださいね。
そしてあなたからも是非、これまでの常識とか当たり前に縛られずに、その人や物の立場だったらどう感じるのかを、広い視野・多くの視点からどんどん想像してお子さんに紹介してあげて欲しいと思います。
工夫3.諦めずに新鮮な気持ちで接する
3つ目の工夫は、あなたやまわりの方々が「諦めず新鮮な気持ちで接する」ということになります。
まずは、あなたのこれまでの取り組みの効果が、すぐに反映されるに違いない!と意気込まないでくださいね。
もともと、発達が気になるか否かにかかわらず、人の記憶ってそれぞれですよね。
例えば、お子さんのお誕生の日のことを、夫さんとお話しされることはありますか?
すると、覚えている場面が違ったり、同じ場面を覚えているみたいなのに、信じられないほど大きな食い違いがあったりするでしょう。
それと同じで、お子さんがする経験や体験のうち、何がどれだけどんな風に頭の中に残って記憶されていくかは、分からないわけです。
私は、発達が気になるかどうかにかかわらず我が子とのやり取りでは、この点を心にとめています。
お子さんにとって、あなたとの関わり合い、捉え方や考え方・感じ方の伝え合いの積み重ねが、とても貴重であることは、もう良くご理解くださったと思いますので、言うまでもありませんね。
だからどうか焦ったり諦めたりせず、お子さんにとっては「あんまり覚えていない……。」「よく知らない……。」「まったく初めて!」かもしれないと、毎回、新鮮な気持ちで接してあげてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、発達障がいがある子供は人の気持ちがわからないのか、ということをテーマにお届けしました。
人の気持ちを察するのが苦手なのは、発達障がいの特性からきている可能性がある、とお分かりいただけたでしょうか。
それと同時に、親であるあなたには、「人の気持ちがわからないことがあるなんて……。」と、受け入れがたい内容であったかもしれません。
お察しいたします。
だけど、お子さんの幸せな将来を願うなら、発達障がいがあるか否かにかかわらず、 色々な捉え方・考え方があることを紹介してあげて、理解を深めていってもらうことが先決ではないでしょうか。
そうしたら将来的にも、捉え方や考え方が違う人とも、よりよい関係を築いていきやすくなるに違いありません。
ポイントは、効果を感じたいと焦ったり、途中で諦めたりしないことです。
繰り返し少しずつ、できるだけ多くの捉え方・考え方を紹介していってあげてくださいね。
それでは、今回はこちらで失礼いたします。
最後までお読みくださって、どうもありがとうございました。
感覚チューニスト ゆう